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2010年9月17日 (金)

About JYOTISHⅠ

shine ジョーティシュ(占星学)はヴェーダ(古代インドで賢者、リシと呼ばれる人たちが深い瞑想で得たインスピレーションによる宇宙の真理)の6つの分野のうちの一つ、天文学・気象学・前兆学・手相学を含む光の科学です。

「ジョーティシュについての教えは善良で穏やかな心を持ち、教師や年長者に敬意を払い、真実のみ語り、神を恐れる敬虔な心の学生にのみ与えらるべきで、そのときにだけ良い結果を生む。この科学は無神論者、ずるがしこい人間に与えてはならない」と、古典である「ブリハット・パラシャラ・ホラ・シャストラ」の冒頭部分にあります。

「撒いた種は刈り取らなければならない」ジョーティシュの背景には、全ての行為には結果がある、という原因結果、因果応報の法則があります。

 サンスクリット語ではkarmaといいますが、期が熟した時に実が落ちるように、自分が投げた石を受け取る時期があり、カルマには代える事の出来ない固定されたドリダカルマと、代える事の出来る固定されていないアドリダ・カルマがあります。

ヴェーダにおけるジョーティシュ(光)の役割は、カルマを見るための目であり、輪廻転生から脱する必要性を理解することが究極の目的です。インドに起源がある仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教にはこの解脱を目指す思想が根底にあります。この一生しか見ず、現世謳歌がすべての現代西洋的価値観からすれば理解しがたいかもしれません。

そのkarmaには4つの要素があるとされています。

one過去の行為によるSanchita Karma(サンチタ・カルマ)は過去生で人間として積んだ全てのカルマの積み重ねであり、変える事ができない宿命を指します。そのSanchita Karmaは二つのパートに分かれています。

twoPrarabdha Karma(プラーラブダ・カルマ)Sanchita Karmaの中で気が熟したもの。肯定的なカルマと否定的なカルマ、そのどちらでもないのがあります。作用反作用の法則の働きで今回の人生で経験するよう設定され、反射します。

Samskara(サムスカーラ)過去生において意識に刻み込まれた印象、因とする動機、繰り返した傾向を投影するカルマ。今生でも再び繰り返すと言う形で作用します。

人生はこのPrarabdha KarmaとSamskaraによる因果応報の苦楽を受け、経験し終わらない限り数千生かかってもカルマの束縛(輪廻転生)から解放されない、とされています。しかし賢者は、ただそのカルマを清算として受け入れます。その時Prarabdha KarmaはAkarma(輪廻の世界からの脱却、最終的に解脱へと導くカルマ)となります。

しかし、一般的には本質的に回避することが不可能なkarmaを、経験することなく嫌悪したり、避けようとするため、また新たに否定的なKarmaを生じさせてしまい、その時Prarabdha KarmaはVikarma(永遠と続く世界に魂を縛り付ける輪廻の世界)となる、とされています。

threeKriyaman Karma(クリヤナマ カルマ)今生のカルマ。人間が自由意志で作れる、または避けられるカルマとされています。この範囲内でのみ自由意志によって行動することが出来るとされていますが、上記の①・②に比べるとごく一部である、といわれています。しかしこの領域に置いてのみ永遠と続く輪廻の世界に留まるか、カルマを清算し、今生や来世での解脱への道をいくこともできるとされています。純粋な動機と素晴しい結果、不純な動機と好ましくない結果、即座か遅れてか、現世か来世か、物質的もしくは精神的、というような結果の現れ方があります。

この領域で、②の過去生から積み上げてきたPrarabdha Karmaの果報として不運や苦しみに合った時、人はその苦しみから逃れるためにこの③の限られた領域でもより否定的な結果の生じる行いをして、来世に持ち越されるのが一般的です。仏陀含む偉大な賢者はこのPrarabdha Karmaから生じる苦を受け止め、変容させることで、魂を解脱へと導くAkarmaとすることを説いてきました。仏教における四苦八苦が、恩寵により苦しみを苦しみとは認識しなくなり、どのようなことであれ、体験は歓喜、内なる至福へと至るというのです。

その心の変容こそが人が苦から解放されるために必要であり、ジョーティシュの真の存在意義といえるでしょう。

また、Prarabdha Karmaにおける否定的な影響を軽減したり、弱い部分を強化するための対処法として、傘をさしてかわす行為、もしくは楯としてガードする方法も、ウパヤ(処方箋)としてあり、専門の占星術師が、個人のバースチャートより必要なことを指示します。

ウパヤその1 各惑星に対応している宝石は否定性を退け惑星の肯定的な力を吸収します。出生図により宝石(カラット数、つけるべき場所)が処方され、つけ始める吉日・吉時間に惑星への祈りを捧げて身につけはじめます。(宝石は惑星の肯定を増すために純粋で高品質、伝統的な方法で浄化されたもの。)

ウパヤその2 プージャ 否定的な影響を及ぼしている惑星に対して浄化の儀式を行い、その影響を和らげる。日本には護摩焚きとして伝わっています。またその原型となるヤジニャには先祖供養を含む五つの種類があります。

ウパヤその3 奉仕 指定された曜日に、その惑星に関する無私の奉仕を行なう。例えば土曜日に、土星に関する老人への奉仕を行なうなど。

ウパヤその4 指定された曜日に沈黙を行なう。思考、心に浮んでくること、内側を観る。感情を味わうこと、体験することが解放のプロセスとなります。

ウパヤその5 指定された曜日に半断食を行なう。液体のみで一日過す。野菜スープを濾したものや果物ジュース。 人により段階があり断食後も注意がありますが、アーユルヴェーダ(ヴェーダの生命科学部門であり、宇宙観に基づく伝統医学。ジョーティシュと密接な関係があります)でも、週に一回の半断食はアグニ(消化力)を高める方としてあります。継続して行なうことで大きな恩恵が心身にあるとされています。 ウパヤ3~5は、自らタパス(苦行)を捧げるといえます。

fourAagami Karma(アーガマ・カルマ)来世のカルマ。未来へ肯定的な変化を作り出し実現するための行為。

以上、karmaについてジョーティシュの観点から見てきましたが、その法則の及ばない世界、アートマン(真我)の領域、ブラフマン(絶対実在)の領域があるとされています。その領域を直接体験すること(瞑想)は必要不可欠であり、普段の生活の中で特に苦しみの原因となっている人間関係への気付きを深めることが、この因果応報の世界の中で真の自由を生きる智慧と言えるでしょう。

次回また詳細に見て行きたいと思います。

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