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2012年11月27日 (火)

「1984年」と3S政策


 高校生のときに、国語の授業で副読本として読んだ「高校生のための批評入門」が、人生の大きな分岐点となった。思ってもみないところに、天恵が隠されているところが人生面白い。当たり前の常識の中で、疑問を感じることもなく生きていた16,7だった私たちに、世界はそんな狭いものではないよ、とこの本は井の中の蛙達へ広い世界をさししめしてくれた、水先案内人だった。

前向きな生き方と真の批評精神」に出会い、学校の生徒の個性を押しつぶすような管理教育に疑問を感じ、本当に自分がやるべきことを探すために自主退学したのは、皮肉だったかもしれない。翌年通信制の高校を卒業した。しかし、元の高校に行ったからこそ、その本を通して大切なことを知ったのだから、何が幸いするか分からない。人生に無駄なことはないのだろう。

今は手元にはないので、記憶の断片だが、「緑のパントマイム」に出てくるスンヒルトのように世間一般のものさしではなく、自分がどう感じるのか?積極的に生きたい、と強烈思ったことは今でも色あせてはいない。
が、この本を読んで一番良かったと思うに、具体的な記述は数行だったと思うが、所謂「3S政策(愚民化政策)」テレビやマスコミのカラクリに気付かせてくれる箇所があったことである。

 未来小説「1984年」ジョージオーゥエル作、を手にするには、村上春樹が小説「1Q84」として、(タイトルだけでも)再浮上してくれるまでに20年以上の歳月があったが、小説「1984年」は、一本の線で「高校性のための批評入門」と私の中では繋がっている。
世界はかつてないスピードで破滅の道、もしくは光の道へと二極化されてきた。
反ユートピア社会を描いたオーゥエルの卓越した想像力、先見の明に唸りながら、このようなある意味「完璧な地獄絵図」の実現を阻止すべく、(すでにいくつかは現実となっているが)と読むか、作者は意外な立場から青写真を見せただけなのか?によって読後感は違ったものになる。
が、どちらにせよ、「知らない」こと、無関心なままに、自ら奴隷化されていくことに疑問を感じないのではなく、また真実を知ったことで、恐怖に陥いり未来に絶望するのでもなく、いまここで生きているところから、混沌としたすべてを見る訓練、中庸さが更に自分自身必要であり、そのような時代になっていくように思う。

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